以前、美味しい塩についての記事を書きました。
(旨い塩/ゲランド産フルール・ド・セル)
その際、もう一つ美味しい塩として名前だけは記載していたのですが、そのまま詳細については触れないままになっていたので、改めて紹介しておこうと思います。
『石垣の塩』は、特許庁の地域団体商標制度でも地域ブランドとして認められた唯一の塩でもあり、多数ある沖縄県産の塩の中でも、知る限りは群を抜いた美味しさです。
なんでも、沖縄県内には20数社の製塩業者があるそうですが、本当に海水だけで製塩しているのは、僅かな数しかないそうです。
で、この『石垣の塩』もそんな中の1つなのですが、100%海水を使って造っているだけに、月齢や日差し、風、といった自然条件の変化により、僅かながら味の変化があるそうです。
裏を返せば、それだけ自然であり、安全と言うことなのかも知れません。
製造時期の異なる製品を実際に食べ比べれば判るのかも知れませんが、海水の汲み上げ時期を限定するなどの徹底的な拘りと製造管理により味のバラつきを抑えているため、実際に継続的に使っている中ではその違いは気になるものではなく、知らなければ気付かない程度のものです。
さて、では『ゲランドの塩』と『石垣の塩』の違いは?と言えば、
ゲランドの塩は辛味が強く、尖ったあだしょっぱさ(飽くまでも石垣の塩と比較しての話で、他の塩から見れば旨味成分は強いです)であるのに対して、
石垣の塩はミネラルが豊富で、角の取れた丸い塩気といった感じです。
とかく動物性タンパク質(特に肉類)や脂肪分が多く、ハーブ類やスパイスのアクセントが効いた洋食においては、『ゲランドの塩』の尖った辛味も、油分でコーティングされるかのように丸みを帯たり、スパイシーな香りに負けない、程よい主張となったりするので、非常に美味しい上質な塩と言えます。
しかし、淡白な和食においては、この『ゲランドの塩』の尖った辛味は時として主張し過ぎる感があり、素材の滋味を引出す以上に、殺してしまう諸刃の刃的な部分があります。
その点、『石垣の塩』の方は、角が取れた丸い塩気なので、例えば豆腐や湯葉といった繊細な味わいの大豆食品から、サヨリやカマスといった脂肪分の少ない淡白な魚まで、素材の持つ滋味を損なうことなく、本当に最大限の繊細な旨味を引出してくれます。
また、塩の結晶の粒子が、『ゲランドの塩』は大きめなために、微妙な塩加減をするのに不向きであるのに対し、
『石垣の塩』は極微粒で、例えば天ぷらの付け塩や、鯛の昆布〆の振り塩をする際に扱いやすく、繊細な塩加減には圧倒的に便利です。
欲を言えば、料理によって『ゲランドの塩』と『石垣の塩』を使い分けるのがベストなのですが、
決して『石垣の塩』が洋食に不向きと言うことではなく、そこは強めの塩加減にするなどの方法で補える範疇ですし、この『石垣の塩』さえあれば問題ありません。
取扱店が多くなく、入手が限定されてしまうことや、250gで650円前後の塩としては決して安くはない小売価格はマイナスの要因ですが、それでもお奨めしたい逸品です。
ほんの少し『石垣の塩』を加えるだけで、醤油味の煮物などにも化学調味料など一切必要なく、美味しさが一段増す本当の塩の旨味を是非味わって下さい。










